
Sの字に髪を巻いたり、風に揺れるようなイヤリングを下げたり、フリンジの付いたバックを肩からかける。
それだけで単なる女から、なぜか女らしくに変化します。
歌舞伎の玉三郎さんも、視線は直線で流し落とすだけでなく、Sの字に黒い瞳がこぼれます。講談社100周年記念出版のひとつ、篠山紀信撮影の玉三郎写真集は豪華版にて発売中です。
「五代目 坂東玉三郎 写真集」
印刷がとてつもなくいい本です。
インクが載った写真集は、紙質ともに最高級でないとこのカラーの美しさは再現できないでしょう。
幸福な出版物です。
衣装の艶やかさも国宝級ですが、玉三郎さんの意識の女性化は、才能重厚にして、写真という一瞬を永遠にしました。
日本女性の美の基本は、戦争の無かった江戸時代から受け継がれています。
争い事の多い時代には曲線美は生み出されていません。
いまの時代が、Sの字カーブでまろやかな美しさを女性に与えるのも、戦争がないという前提だからです。