
言葉を選んで紡ぐ文学のように
衣服を組み合わせて着ることも文脈があるのだと思います。
そのヒトがどんなヒトかを衣服は他人の目に訴えかけたり、
あるいは反対に、
衣服がヒトの気持ちを隠してくれたりもします。
映画「風と共に去りぬ」のなかのセリフに、レッドバトラーがスカーレットに「泣いている顔に着せるドレスはない。こんな日こそ思いっきり着飾れ。しかもいちばん豪華な一着で!」と、彼女を家から引きずり出しました。
そしてスカーレットは恋人の亡くなったお別れの会に、豪奢なドレスで出掛けていきます。まわりの目の冷たさもなんのその、あまりに美しいスカーレットのドレスの着こなし。スカーレットの悲しみの越え方としては、みずぼらしく涙に浸る姿をやせ我慢だとしても、衣服によって悲しみを封じ込めたかのようでした。
悲しいときがもしあったら、好きな服に助けてもらう…それは他力本願でも。
ファッションが文学になるとき、
そこにはヒトの感情を揺さぶり、奮い立たせる衣服があるという相互間が見えてくるのです。
たった一枚の布地から立体に起こされる服には、創ったヒトの夢や想いが入っています。
だから衣服を着ることは、いつでも誰かの夢をまとっているのと同じなのです。
そしてそこに、自分のためだけではなく、誰かに想いを伝えたいときにも衣服が介在してくれる、そんな以心伝心な着こなしを出来たらと思います。
「黒衣の花嫁」著者:コーネル・ウールリッチ





